このブログをお読みのお客様から117クーペのエアフロ修理をいただきました。

ジウジアーロデザインの往年の名車で、かっこよかったですね。

お話を聞くと、≪修理屋さん≫ではどこもお手上げのようです。

理由はワタシには理解できます。自動車整備業界も交換と分業に慣れてしまったから。 一番は治らないとお金を頂けない業界になってしまい、お金にならないと判断するとやりたがらない。

整備士を目指さない人が増えたのも納得できます。

さてさて

お客様依頼は内部電子回路部分のオーバーホールでしたが、この時代はそんな先端部品は使ってません。

典型的な機械式エアフロメーターで、とてもシンプルです。しかしデリケートでOH厳禁部品です。

問診ではアクセルOFFでエンスト、ストールしてしまうようでスロー回転での燃調があやしい。

お預かりしてよく見ると

1:シール材の劣化(余分なエア吸いの一番原因)が一目瞭然。エア吸いしてる気がします。

2:エンジンからのブローパイ汚れが目立つ(エンジン本体のくたびれが原因)

  ワタシの師匠Links japan千葉社長が喜びそう?

3:燃調用のバイパス通路がオイルスラッジで酷い。

4:電気回路は導通OKで特に断線はなさそう

以上の理由から今回はECU修理のように電気回路の職人さんに診てもらうのを辞めました

職人に見てもらうだけでも工賃を払うべきとのワタシのモットーから今回はもったいない。

わからないから、なんでもかんでも電装部分は電装屋へ外注というのは大間違いです。

次にオーバーホール工程のご紹介を。

1:まずはシール材をすべてはがします。

2:徹底洗浄します。

3:バイパス通路の流量調節ネジも洗浄後にまずはキッチリ元の締め込み量にセット

  どちみちアイドル状態を見ながらの再調整が必須なので適当。。

4:電気回路部分の接点部分はは接点復活材でシコシコ磨きます(特にアイドル接点)。

5:接点圧が影響しそうな所はカーボン紙で磨きます(昔からの接触不良改善の知恵)

6:組付けは汎用コーキング材はやめて、WAKOの液体ガスケットで密封で、(柔らかすぎず固すぎずが狙い)わずかなクラックのエア吸いを防ぎたい。

以上でエアフロが原因のトラブルは完ぺきなハズ!  治ってくれ!

結果は取り付けてドライブしてみないとわかりませんが、治ってればよいですね。

今回も治らなくてモトモトというお客様のご理解で結果を聞かずにご請求させていただきました。

外注作業の電子回路チェックはムダだと判断したため、

ワタシの実質作業2時間工賃のみのご請求です(インフル感染で中断長期↯)。¥12000。

美しい117クーペ  末永くお大事に!

#今回はオーナーさんのお電話でつい引き受けてしまいました。

社員からは怒られ反省。

でも、車が好きな人は大好きで、止まりそうにありません。